銅製ローターは銅または銅合金で作られたリスかご型誘導モーターのロータです。ダイキャストマシンで高圧・高速にプレスして溶かした銅を金型に注入し、ケイ素鋼の積層と組み合わせすることでローターが形成されます。
純銅は導電性に優れており、純銅の導電性をローターに使用することで、様々な面でモーターの性能を向上させることができます。
銅製ローターの技術を使うことで、モーターの性能を大幅に向上させることができます。
低損失、高効率
アルミニウムの代わりに銅を使用することで、ローターの抵抗を約40%を減少することができます。モーターがの定格出力が小さいほど、ローターの損耗が全体の損失に占める割合が高くなるため、銅ローターを採用することでより効率が向上できます。
高い信頼性
モーターの損失が減ることで、熱に変換されるエネルギーが少なくなり、ローターやステーターの温度が下がります。使用温度が下がることで、信頼性を高め、寿命が延ばすことができます。 また、使用温度が下がることで、冷却ファンの小型化が可能となり、機械的な損失、振動、騒音の低減にもつながり、効率を更に高めます。
高い電力密度
銅はローターの有効断面積の電流強度を高め、モーターの電力密度を高められます。銅製ローターを採用することで従来のモーターに比べてサイズを小さくし、重量を約20%を軽量できます。
デザインの柔軟性
銅ローター技術により、1シリーズのステーターで効率が異なる2種類のモーターを開発したり(例えば、IE4-銅ローター、IE3-アルミローター)、限られたスペースで何種類の出力レベルの製品を開発したり、設計の可能性が広がります。
耐食性
銅は優らた耐食性を持っており、大気、海やほとんどの有機酸の環境で機能することができます。硫酸塩、苛性アルカリ、酒石酸などの溶液の中でも耐蝕性を発揮でき、応力腐食割れに敏感ではないです。そのため、銅製ローターは舶用工業、海洋産業、泥水ポンプなどの領域で活躍しています。
製品紹介
真鍮製ローター
真鍮をローターを伝導体にしたことで、ローターの等価抵抗を高めて、モーターの起動トルクを向上させることができます。主に重量物の機械設備に応用しています。
銅及び銅合金部品
高品質な原材料と豊富な経験により、様々な銅及び銅合金の部品を製造できます。
高効率な銅製ローターのモーター
これで作られたモーターはIE4だけでなく、IE5レベルも実現できます。
モーター型番YZTE4
KW | 2P
| 4P | 6P |
0.75
| 80M | 80M | 90S |
1.1 | 80M
| 90S | 90L |
2.2 | 90L | 100L | 122M |
3 | 100L | 100L | 132L |
4 | 112M | 112M | 132M |
5.5 | 132S | 132S | 132M |
7.5 | 132S | 132S | 160M |
11
| 160M | 160M | 160L |
15 | 160M | 160L | 180L |
18.5 | 160L | 180M | 200L |
22 | 180M | 180L | 200L |
30 | 200L | 200L | 22SM |
37 | 200L | 22SS |
|
45 | 22SM | 22SM |
|
銅製ローターの応用
産業用高効率モーター
モーターのエネルギー効率の向上に伴い、高効率モーターの需要は大きく伸びることが予想されます、銅製ローターを採用するのが高効率を実現するために最もコスパが良く、シンプルな方法です。
中国では、銅ローター技術が「国家重要省エネ技術推進カタログ」に掲載されており、国務院が発表した「省エネと環境保護の第12回5年計画」でも銅ローター技術が高効率モーターの案として推進されています。
モーター改造
銅ローターは既存の古いモーターを改造し、効率を向上させることにも利用されています。銅ローターを利用することで、最も経済的な方法で不要な古いモーターの効率を1~2段階を上げ、要求を満たす高効率モーターに改造することが可能です。
電力密度の向上
アルミニウムローターの代わりに銅ローターを利用することで、モーターのサイズと重量を減らせます。例えばコンプレッサーの75KW-2モーターで、アルミ製ローターを使う場合、効率がIE2、サイズ280ですが、銅製ローターを使い最適すれば、効率IE3を向上させ、サイズを225まで減らせます。こうして、同じシリーズの製品でも、アルミ製と銅製ローターを利用することで、広い効率範囲をカバーできます。
電気自動車
銅製ローターを採用した誘導モーターは、電気自動車の駆動モーターとして最適な解決策の一つです。現在世界で最も成功している電気自動車の駆動システムは銅製ローターを採用しています。銅製ローターのモーターは高効率、制御システムの成熟度が高い、高い信頼性、低コストが特徴です。
他の応用
メーカーYCDの競争優位
材料
銅ローターは雲南銅グループが製造した高純度の電気銅を採用し、純度が99.95%以上です。製造中に発生した廃棄物は統一に精錬サイクルシステムに回収されます。銅ローターの導電性を確保するために、すべては新しい材料で生産を行っています。
技術
銅ローターのプロジェクトチームは2004年に設置され、10年間に渡って生産ライン、金型技術、溶解技術、ダイカスト工程、製品テストなど多くの研究を行い、銅ローターの量産技術の分野で3つの発明特許と5つの実用新案権を取得できました。メーカーYCDは国際銅協会(ICA)のメンバーとして、ICAから強力なサポートを受け、銅ローターの製造技術レベルが世界では先進的ななものとなっています。また、雲南銅グループは銅の加工に関して豊富な経験を持っており、全国機械冶金材料システム創新スタジオ、学識専門家ステーション、雲南省職員創新スタジオとして評価されています。
設備
YCDの製造ラインの主な設備はスイスから輸入したダイカストマシンです。この設備には優れた射出性能と正確なリアルタイム制御システムを備えており、プロセスの一貫性と品質を保証できます。独自長年の研究と技術改良により、生産システムを完成し、効率的に高品質な銅製ローターと銅合金部品を製造できるようになりました。
品質管理
品質マネジメントシステム(IS09001:2008)の認証に合格し、PFMEA、標準作業プログラム、SPSS統計解析ソフトなどを利用して、製品の設計、生産、品質検査などを全面的に管理しています。従来の3Dモデリング設計を元に、清華大学と共同で銅ローターダイカスト用の2つのシミュレーションソフト「金型温度場分析シミュレーションソフト」と「射出成形シミュレーションソフト」を開発しました。これらを活用し、金型設計の成功率を大幅に向上させることができました。また、銅ローターの性能と状況に対して、ローターブレイドを検測するための銅ローター無傷検測装置を開発しました。
モーター効率を高める必要性
銅製ローターはアルミ製の同等品と比べて、効率を2~7%を向上させることができます。実際に5.5KWの銅製とアルミ製のファン駆動モーターを比較したところ、年間1837KWHの電力を節約できました(330日稼働)、省エネ効果は顕著です。